【特典】1回10万のセミナーを5人集客するための具体的なマーケティング戦略事例
こんにちは、イチです。
今回は、僕のコンサルメンバーが実際にクライアント様から受けた相談を元に、「1回10万円の高単価セミナーに、どうやって5人(5社)を集客するのか」というテーマで、具体的なマーケティング戦略を解説していきます。
机上の空論ではなく、実際にあった生々しい事例なので、高単価商品や専門的なサービスを扱っている方にとっては、非常に参考になるはずです。
【ご相談】1回10万円のセミナーに、本当に5社も集まるのか?
今回ご相談いただいたのは、中小企業の経営者向けに財務や経営の顧問サービスを提供している、あるコンサルティング会社様(以下、クライアント様)です。
クライアント様は、今後の事業展開として、顧問契約とは別に、経営者向けの少人数セミナーを企画していました。
- ターゲット: 月額の顧問料は払えないが、スポットで学びたいと考えている小規模企業の経営者
- 内容: 一気に学べる財務と金融、経営のコツ、そして秘伝のフレームワークを伝達
- 参加費: 1回10万円
- 開催条件: 5社以上集まれば開催
この企画に対し、担当のデザイナーさんからは、次のような率直な疑問が上がりました。
- そもそも1回10万円もの高額なセミナーに、そんなに人が集まるのでしょうか?
- SNSのオーガニック集客(広告なし)だけで、同日開催で5社も集めるのは、かなりハードルが高いのではないでしょうか?
あなたも、同じように感じたかもしれません。
しかし、この課題の本質は、まったく別のところにあります。
【イチの回答】セミナー集客の本質は「金額」ではない
僕からの回答は、こうです。
金額の大小じゃないんですよ。「かかるコストに対するリターンの大きさ」が全てです。
10万円が高いか安いかを議論しても意味がありません。重要なのは、その10万円の投資が、参加者にとって「いかに早く、そして大きくペイできるか」を提示できるかどうか。もっと言えば、10万円が「圧倒的に安い」と感じられるような「魅せ方」ができるかどうかです。
例えば、こんなセミナーがあったらどうでしょう。
経理担当者が突然辞めてしまい、すぐに補充しなければならない。求人プラットフォームに依頼すると採用コストが100万円以上かかるが、それをたった10万円で解決できる「理想の人材を採用するための裏技セミナー」
この場合、100万円かかるものが10万円で済むわけです。これはもう、申し込まない手はないですよね。
「ペイできる」どころか、参加するだけで「90万円も得をする」という見せ方ができれば、10万円という価格はリスクですらなくなります。
大切なのは、この「勝負」に乗せていく感覚です。
6割の確率で1億円儲かるという投資案件があれば、500万円くらい余裕で払う人がいるでしょう。500万円を失うリスクより、1億円を手にするメリットの方がはるかに大きいからです。
もちろん、これは「結果に100%コミットしろ」という意味ではありません。
期待した結果が得られなかったとしても、「そのノウハウに、10万円を投資する価値がある」と思わせるだけの「確度」、つまり夢が見られれば、それでいいんです。
「100万円のコストが削減できるかもしれない情報」。
これに10万円を賭けられる企業がいるかどうか。
その「確度」をいかに高く魅せられるかが、我々の腕の見せ所ってことです。
【具体的な戦略】「訴求軸」を研ぎ澄ます4つのステップ
では、その「確度」を高く見せるためには、具体的にどうすればいいのか。
クライアント様は、すでに有益なサービス(ノウハウ)をお持ちでした。
ですから、今必要なのはたった一つ、「訴求軸」だけです。
「訴求軸」とは、「一体、誰の、どんな悩みを解決できるのか」を、針の先端のように鋭く尖らせたメッセージのことです。
これを構築するために、次の4つのステップを踏んでください。
いきなり5社を集めようとするから、話が複雑になるんです。
まずは、知り合いの経営者などにお願いして、モニター的にたった1社だけにサービスを提供してください。
そして、実際にそのクライアントが抱える喫緊の課題を解決し、感動の声をいただく。ここが全てのスタート地点です。
STEP1のモニタークライアントから、「あなたのサービスで、具体的にどんな課題が解決したのか」を徹底的にヒアリングし、洗い出します。
この「課題」こそが、未来のお客様を惹きつける最強のフックになります。
洗い出した「課題」を、より多くの人が「自分ごと」として捉えられるような、緊急性の高いシチュエーションに落とし込みます。
【課題】
求人ポータルを使わずに、10万円で理想の経理担当者を採用できた。
【シチュエーション】
- 「経理担当が突然退職し、代わりの人をすぐに採用しなければならない…!」
- 「100万円かけて採用した経理がすぐ辞めてしまった。もう採用に100万円もかけられないし、そもそも予算がない…」
このような具体的なシチュエーションは、AI(ChatGPTなど)に壁打ちすれば、いくらでもアイデアを出してくれます。
最後の仕上げです。
STEP1で作った成功事例を、動画インタビューなどの形で、ゴリッゴリにエビデンスマシマシで見せつけること。
お客様の生の声ほど、強力な証拠はありません。
「このサービスを受けたら、本当にこんな未来が手に入るんだ」と、ターゲットに自己投影させることができれば、集客は成功したも同然です。
【集客と事業展開】セミナーを「点」で終わらせない
訴求軸とエビデンスが固まったら、いよいよ集客です。
一番手っ取り早いのは、Meta広告(Facebook/Instagram広告)です。ターゲットとなる経営者に直接アプローチできるので、効果は絶大でしょう。
もしSNSのオーガニック(広告なし)で集客したいのであれば、ホワイトペーパー(お役立ち資料)を作って、それをフックにリストを獲得し、DMなどでアプローチしていく戦略が有効です。
この場合、ホワイトペーパーはPDF資料だけでなく、限定公開の動画などでも構いません。
そして最も重要なのは、この10万円のセミナーを「フロントエンド商品」として位置づけることです。
セミナーで価値を感じてくれたお客様に対し、より高単価なコンサルティング契約(バックエンド商品)を提案する。
あるいは、セミナー自体を録画して「セミナー動画」として販売し、あなたのリソースを割かない形で売上を作り続ける。
このように、セミナーを「点」で終わらせず、その後の事業展開に繋げていく視点を持つことが、ビジネスをスケールさせる上で非常に重要になります。
まとめ
1回10万円のセミナーに5人集める。
この課題を解決する鍵は、価格の妥当性を考えることではありません。
- 「10万円以上を一瞬でペイする、圧倒的なリターン」を演出できるか。
- そのリターンが得られる「確度」を、具体的な成功事例(エビデンス)で証明できるか。
あなたが提供できる価値(ノウハウ)が本物であるならば、あとはそれをどう切り取り、どう見せるかという「訴求軸」だけの問題です。
この思考法は、セミナー集客に限らず、あらゆるビジネスに応用できる本質的な戦略です。ぜひ、あなたのビジネスにも取り入れてみてください。

