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10万円しかないというお客様からの依頼でも、単価を2倍/3倍に上げて受注する方法【松竹梅の法則】

マーケティング施策
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松竹梅の法則をご存知でしょうか。

これは、価格を3段階のコースに分けて、お客様に選択を委ねるセールステクニックです。

選択肢を設けることで、お客様は「買うか、買わないか」の2択ではなく、「松竹梅のどれを買うか」の3択に意識が向くようになり、購入に繋がりやすくなります。

よく料理のメニューやお弁当のランクなどで使われていますよね。

これをWEBサイトに導入する方法を解説します。

サイトの制作は、「原稿/使用画像/ロゴ」などの素材をお客様から提供してもらうか、あるいはこちらで制作・撮影・またはフリー画像などから選定するかで、見積もりが変わります。
商品画像などをプロの写真家に依頼する手配などをこちらで受ければ、当然それも見積もりに加算されます。

制作に対してやらなければいけない作業は決まっていて、その作業を「お客様がやるか」、「デザイナーがやるか」で金額を上下させているかと思います。

実際にあった話ですが、予算を渋っているお客様からの依頼があり、10万円でサイトを作って欲しいと言われたとしましょう。

原稿はすべてお客様、こちらはデザインだけで10万という依頼。

原稿に何も問題がなければ、予算の範囲内でできるサイトをこのまま作ればいいのですが、問題があれば指摘するべきです。

「お客様の今回のご依頼の目的は◯◯ですよね? その目的を叶えるためには、この原稿はもっとこうするべきですし、他のたくさんのライバルからお客様が選ばれるためにUSP(独自の強み)をPRするべきです。
USPが無いのであれば、ライバルリサーチをして、お客様しか持っていない相対的な強みを見つけるべきです。
それをすればもっとずっと訴求力の高いサイトにすることができますが、やりますか? 当然今よりはお見積額は高くなりますが・・・」

このように言います。それでも不要だと言われればそのまま作ればいいのですが、これまでの経験上、10人中9人は「いくらですか」と聞いてきます。

「税抜きで30万です。通常は一括で頂いていますが、もしご予算厳しければ、頭金10万、その後分割で2万円ずつ10回払でもいいですよ」

こんな感じで言えば、高い確率で30万でとれます。

こちらで考えた「より良い手段」を提案していく

「せっかくお金かけて作るなら、ここでケチらず、しっかりしたものを作ったほうがいいかも」と思ってもらえるように、あの手この手で提案していくこと。

これはポジショントークでも何でもなく、事実です。

しかし、僕のコンサルメンバーに聞いても、「リサーチは無償でやるものだと思っていた」とか「お客様の予算が厳しいんだろうなと思って、高くする提案ができず、つい安くしてしまう」という話が出てきます。

ここはもうマインドの問題なので、「お客様の事業を成功させるために必要」と思うこと。「自分が儲かりたいから」ではないのです。

原稿を直してあげたり、強みを見つけるような話になるともはや「経営コンサル」の領域になるのですが、例えば少なくても「リサーチ」であれば、お客様の代わりにできるでしょう。

代わりにリサーチをするだけでも単価は上げられるし、もっと言えば「リサーチの仕方を教える」だけでも単価は上げられる。例えば、

(梅)お客様の要望通り 10万
(竹)リサーチの仕方の指導 12万
(松)リサーチ代行 15万

この松竹梅だっていいわけです。

お客様自身が気づいていない課題に気付かせる

「ライバルに対する自分の差別化要素/強みをアピールできていない」ということは、お客様が気づいていない課題です。

であれば、この課題にまずは気づかせること。

そのために、ライバルリサーチが必要ですよ、ということを教えて上げて、そのリサーチができないってことなら、代わりにやってあげる。

これらすべてが、「お客様のためになる提案」なのです。それができれば、10万の予算の仕事を、20万にも30万にもしていける。

松竹梅の提案で、「10万円の梅」だけじゃなくて、「竹」と「松」という、「顕在化(自覚)していなかった課題の解決」を盛り込んで訴求する。

こちらはあくまでも「より効果が見込める選択肢」を用意してあげるだけなので、予算と相談して、選ぶのはお客様です。

せっかく作るからには良いものを

WEBサイトというのは、そうそう頻繁に作るものではありません。
そして、やはりせっかく作るからには、かける費用に見合った効果が出なければ、作る意味がありません。

お客様の要件が、「10万でこの原稿のとおりにWEBサイトを作って」

であっても、僕らWEBデザイナーはお客様の目的を叶えるために、その要件に不足している部分がないかをチェックする機能を持つべきです。

例えば、アクセス解析は入れなくていいのか。お問い合わせフォームはなくていいのか。SNSは埋め込まなくていいのか。SEOをしたいならブログ機能を付けたらどうか。その更新リソースはあるか。更新リソースがないなら、代行してはどうか。

こうやって、「この会社のWEBマーケティング担当」がするべき仕事を、僕らが代わりにやってあげること。

この提案って、お客様の立場からすると、めちゃくちゃありがたいことなんですよ。

アクセス解析なんか知らないし、SEOもできない。
そもそも、WEBサイトでできること、WEBサイトが持つ機能を知らなければ、「欲しい」と思うことすらできない。
だから、「お客様がまだ知らないメリット」を伝える。

この提案をするためのマインドセット

駆け出しWEBデザイナーの多くは、「お金を追加で出させることは申し訳ない」と考えます。

その考え方を改めて欲しい。僕らが儲かるためにこの提案をするのではなく、あくまでも、お客様の事業を成功に導くために必要なことのみを提案していくのです。


WEBデザイナーが高単価を取るために最も大切かつ、最もシンプルなコツをお教えしましょう

それは「お客様の事業に寄り添い、いかに【自分ごと】と考えられるか」です。

僕は「僕を信じてくれたお客様の人生を変える」という覚悟でコンサルをしています。

それ以前も、WEBデザインを任せてもらえるときは、「お客様の事業に必ず貢献する」という決意を、相応の自信と責任を持ってお客様に示していました。
仕事を通して、その人の人生までも変えていくという誓いのようなものを立ててクロージングしています。

あなたは勝手に「WEBサイトを納品すれば自分の仕事は終わり」と、線を引いてないでしょうか。

バナーを作れば終わり。
LPを納品すれば終わり。

もらった分のお金の仕事はするけど、それ以上は自分の知ったことではない。

この仕事の仕方は、間違いではありません。安い単価の仕事で、いちいちお客様の人生を背負い込んでたらやってらんないですからね。

しかし、逆を言えば、「相手の人生を背負う」という姿勢がないから、いつまでもあなたは安いのです。

高単価で受けるとは、「責任を負うこと」から逃げないこと

これは、根本的な仕事に対するスタンスの問題になってきます。

WEBデザインの営業を、「WEBサイトという商品を売る」という感覚でいるうちは、単価もその程度になります。
「お客様の事業を、自分の事業のように考え、真剣に貢献する姿勢」を見せれば見せるほど、あなたの単価は上がっていく。

当然ですが、その分負う責任は重くなります。

「お客様の人生を背負うなんて、そんな大げさな」と思うかもしれません。
「たかがWEBデザインで」と。

その認識があなたの値段を落とし続けているのです。

人が個人に大きなお金を出すときは、「この人なら私の人生を変えてくれるかもしれない」と思うときです。

「お客様の事業」のことを何一つ考えず、「言われたものを言われたとおりに作る」というWEBデザイナーであれば、楽ですよ。言われたことをそのままやってればお金をもらえるんですから。

でも、「お客様の事業を自分の事業のように捉え、お客様から言われてないアイディアや提案を出していく」ということをできるようになって欲しい。

提案には責任が伴います。

その責任から逃げないで下さい。個人でビジネスをやるというのは、そういうことです。
それが起業家であり、経営者の必須条件です。

それが負担で、誰かに責任を負ってもらいたいなら、サラリーマンで居続ければいい。もしくは低単価のままで副業WEBデザイナーとしてやっていくのもありです。

専業フリーランスになりたいなら、どうしても単価を上げていかなければならない。
そこで松竹梅です。

案件を頂いたら、提案のプラン分けを行うこと。

予算ごとのプラン作成の例

~10万:言われたとおりに作って、納品したら仕事は終わり
10万~30万:お客様の原稿や要件をチェックして、お客様の目的を達成するために必要な提案をしていく
30万~100万:ヒアリングや原稿箇条書きをもとに、こちらで原稿から執筆、トータルプロデュースを行い、導線やカスタマジャーニーもしっかり作成
100万以上:カメラマンの手配や動画編集など、スキル的な面を補う外注も総動員をして、導線だけじゃなく、見た目も最高のクオリティを追求する

10万以下の人にも、上位プランを提案することで、選択肢を与える。

これは「この価格帯で松竹梅を作れ」と言っているわけではなく、相手の予算に応じて、支払える範囲の松竹梅を作ることです。

お客様は最初から10万しか予算がないと言ってるのに、100万超えの見積書なんか出しても通るわけがないですからね 笑

予算に応じたプラン

個人事業やスモールビジネスの場合は、8万、10万、12万とかの見積もりにするのがいいでしょう。

相手の事業の規模感によっては、10万、15万、20万でもいい。

お客様の予算も、どんな根拠で言っているかは本当に千差万別です。

1「ホームページの相場がわからないから10万」という人もいるし、

2「本当に資金的に厳しい」という場合もあるし、

3「ホームページで得られるメリットを正しく理解していない」

という場合もあります。

3の場合は、「ホームページではこんな事ができるんですよ」と、お客様が欲しがりそうな理想の未来、可能性を示唆してあげることで、10万の予算が50万にも100万にもなりうるんです。


これは、「お金はあるけど、ホームページなんか10万で十分でしょう」みたいな認識のケースで有効。

松竹梅のプランの制作フロー

1.依頼があったら、相手がサイトを作る目的をヒアリングする
2.お客様のご依頼以外の手段で、目的を叶えるための手段が無いかを深く考える
3.その施策をすべて盛り込んだ「松」の価格を決める
4.松から優先度の低い施策を省いた竹、最低限の施策のみ行う梅を作る
5.相手が予算を決めている場合は、大体「竹」に予算を合わせるとよい
6.松竹梅の3コースを提案し、お客様にどの施策にするか選んでもらう

このフローで松竹梅の提案ができるようになると、以下のようなメリットがあります。

1.お客様自身も思いついていないアイディアを提示するため、めちゃくちゃありがたがられる
2.お客様から頼られ、信頼される
3.「作業者」ではなく、「提案者」になれる
4.下請け業者ではなく、ビジネスパートナーになれる
5.自分の単価が上がるため、少ないお客様と深い付き合いができる
6.お客様に提案する「提案力」が身につく
7.お客様の事業を「自分ごと」として考えられるようになれる

松竹梅の提案ができると最強です。ぜひ挑戦してみて下さい。

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この記事を書いた人
イチ

WEBデザイナー&ディレクターとして、東京青山のブラック制作会社にて地べたを這いつくばり12年、フリーランス4年、計16年のクリエイター。キラキラWEBデザイナーとは対極のサバイバー。

昨今は一般製造メーカーのWEB&EC&システム&マーケ担当を行いながら、駆け出しWEBデザイナーの完全個別コンサルを行い、多くの”稼げる”フリーランスを排出。

制作会社の事情、フリーランスの事情のどちらも語れる稀有なマルチプレイヤー。

イチは小6から4年間不登校児だったのですが、その半生についてはnoteで書いてます。

読んだ方からは「めちゃくちゃ泣いた」「続きが気になって最後まで目が離せなかった」と大好評の恥も外聞もないノンフィクションエロ小説。お暇ならご一読ください。

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