【限定記事】駆け出しWEBデザイナーのための、見積もり価格の決め方

この記事は約5分で読めます。

こんにちは、イチです。

「この案件の見積もりをほしいと言われたのですが、金額をどう決めればいいかわかりません」という質問。


今日はこの決め方を教えましょう。

相場はあってないようなもの

まず、あなたもご存知の通り、WEB制作には相場があります。

こういうサイトは大体このくらいの価格、みたいに決まってる目安みたいなものがある。

そういうのを重視するあまり、僕のところに質問してくる人は「こういうサイトってどのくらいの相場でしょうか?」と聞いてきます。

でも、相場って実は、あってないようなものなんです。

例えば会社のオフィシャルページひとつとっても、業界によって全く違うし、業種・業態・客単価・利益率などによって全く変わってくる。

例えば、同じ5ページからなるオフィシャルページを作るにしても、客単価300円の駄菓子屋のホームページと、高級車メーカーのホームページの予算が同じはずがないですよね?

見積もりの前に、まず「そのサイトをなんのために作るのか」という、お客様の目的をはっきりさせること。

何のためにそのサイトを作るのか

お客様の目的をしっかりヒアリングして下さい。

ただ名刺代わりのサイトを作りたいのか、それともそのサイトをメインにした「売上の柱」を作りたいのか、お客様によってその目的は大きく違う。

わかりやすく大きく分けて2つ。

名刺代わりのサイト

まず「名刺代わりのサイト」です。
とにかく「最低限の会社の情報がわかるWEBサイトが欲しい」というニーズ。

この会社は集客や売上などには困ってなくて、サイトがありさえすれば何でもいいというスタンスで発注してきます。そして機能性よりも「安さ」を重視してくる。

これは原稿をもらって組むだけになるので、通常5万円くらいから作れるでしょう。
(駆け出しとかココナラなどの場合は更に安くなる場合もある)

売上/新規集客を期待するサイト

もうひとつ「新規顧客開拓・売上向上」というニーズが挙げられます。

この場合、その商材の内容、市場の顧客単価、ターゲット、目標数値を達成するための難易度によってその単価が決まってきます。

顧客の新規獲得、売上向上を目的とする場合は、ただ作るだけではだめで、まず市場やライバルなどのリサーチから入っていきます。

そしてターゲットの「導線」を意識したサイトにしないとなりません。

集客と売上にコミットすることがサイトの目的である場合、制作工程がどかっと増えます。
当然2万~5万などの低単価では受けられなくなる。

そして、このサイトを作る上であなたが必要な時間を試算して単価を決めていきます。

あなたのWEBサイトの値段の決め方

例えばですが、

市場リサーチに3時間
ターゲット設定に3時間
ライティングに15時間
ワイヤーフレームに4時間
デザインカンプに15時間
コーディングに10時間
レスポンシブ対応に5時間
テストに3時間

合計58時間

各作業工程にこれだけの時間がかかると仮定します。どのくらいの時間がかかるかわからない場合は、「仮」でいいです。そして実際にやってみて時間を測り、正しい時間に後で調整していけばいい。

この算出した合計時間の58時間に、自分の時給を3000円として計算すると、

174,000円

これに、打ち合わせや調整費用などのディレクション費用を10万円程度(あるいは10%程度の場合もある)確保する。

274,000円+税

このくらいが、集客や売上にコミットしたサイトの制作費用の最低ラインです。

僕ら専門職の時給は3000円が最低ラインなので、実際はもっと増えます。

使える時間を先に決めることのメリット

この試算の良いところは、各フェーズに使える時間が決まっているため、自分の進捗管理もしやすい点です。
リサーチに使えるのは3時間として、それ以上はかけないようにするんです。

これを守れば、あなたの時給は3000円から大きく下がることはなく、「コンビニバイトよりも安い金額で働く」ということも起きなくなる。

ココナラやクラウドソーシングで、3万円とかでWEBサイトを請け負ってる人がいますが、ああいう人の時給は、どんなに効率的に作ったとしても、おそらく200円程度まで落ち込んでいるはずです。

時給900円でコンビニでバイトしたほうが遥かに稼げる。

そうなると、何のためにWEBデザイナーになったのか分からなくなりますよね。

最初からこの金額では仕事が取れない

ここまで解説したのは、あくまでも「あなたがプロとして軌道に乗ってからの価格設定」です。

実績がない最初から、この価格設定で売るのは不可能でしょう。

あくまでもこれは「定価」であり、実績がないうち、少ないうちは、この試算をした後で、大幅に値引きをしていきましょう。

ここで肝心なのは、「本来はこの金額がかかるんだ」ということを、相手に常に示すことです。

例えば最初に知り合いからサイトの案件が取れたとして、それを3万円で受けたとします。
そしてサイトの目的が「名刺代わり」ではなく、「集客・売上コミット」だったとする。

この場合、見積もりには前回出した作業を全部洗い出し、それぞれの金額を計上します。

すると20万~30万になりますから、それを最後の欄で「初回特別値引き」として、3万円になるまで値引きをしましょう。

ここで、値引きをしないで、最初から3万円の請求をすればいいと思った人は、考えを改めて下さい。

必ず「値引き」で調整すること

値引きをしないと、お客様から見て、あなたのWEBサイトの本来の価格が3万円になる

そのお客様や、そのお客様から紹介を受けた次も、その次も、ずっとその値段でしか売れなくなります。

「初回特別値引き」と書いておけば、「本来はこれだけ高いものなんだ」という認識をお客様に与えることができて、そのお客様が他のお客様に紹介してくれるときも、「自分は3万で作ってもらったよ」とは言わなくなります。

そうやって、案件をもらうごとに徐々に値引き額を少なくしていき、最終的に本来の価格に合わせていく

時給もコンビニバイトと同等から始め、実績を積むごとにどんどん上げていき、値引きをせずとも売れるようになる頃には、最終的には専門職相応の時給である3000円~5000円程度になっていきます。

タイトルとURLをコピーしました